甲子園を沸かせ、楽天イーグルスの優勝をけん引し、MLBの名門、ニューヨークヤンキースで大活躍!古巣楽天イーグルスに復帰して4年。そして今、自由契約となり、新たな活躍の場を探しているという。田中投手にいったい何があったのか。わかりやすく解説!
これまでの活躍は?
高校時代、駒澤大学附属苫小牧高校の野球部に所属し、2年生の夏に全国優勝。3年春は部員の不祥事により甲子園出場はならなかったが、夏は準優勝。鳴り物入りで東北楽天ゴールデンイーグルスに入団、エースナンバーの背番号「18」を背負います。
2007年から2013年の7年で99勝35敗。2年目以外はすべて2桁勝利。MLBへ行く前の2013年はなんと24勝無敗!防御率1.27。タイトルを総なめし、MVPと沢村賞も獲得。押しも押されぬ日本球界のエースとなりました。
本人の希望を球団が了承するかたちで、ポスティングシステムにてMLBへ。しかも名門ニューヨークヤンキースに7年総額1億5500万ドル(当時約161億円)の大型契約で移籍します。2014年から2020年までの成績は78勝45敗でした。
そして2021年から古巣楽天に復帰し、2024年までの4年間でに20勝33敗。通算197勝113敗で、200勝まであと3勝に迫っています。
退団の経緯は?
田中投手が楽天に復帰した際は、2年契約の推定年俸9億円(日本人史上最高)。その年は4勝9敗。年俸を現状維持とした翌年が9勝12敗でした。翌2023年は推定年俸4億7500万円となり、7勝11敗でシーズンを終え、そのオフに右ひじを手術します。
2024年、さらに下げられた推定年俸は2億6000万円。しかし手術の影響か、結果は0勝1敗、1軍の当番は1試合のみでした。
そしてそのオフの契約交渉では、減額制限を超える減額提示を受けていましたが、田中投手はこれを拒否して、契約保留選手名簿に載らない自由契約となりました。「もう期待はされていない。」「居場所はないんじゃないか」などと語り、球団との決別姿勢を表明しています。
まあ、プロの世界ではよくあることのようですが、結構ネットを騒がせています。
ふたつの見方①レジェンドがなぜ!
楽天球団はなぜレジェンド田中将大を手放すのか、冷たいのではないか…という意見が、NPBのOBなどから出ています。中畑清氏は「球団は配慮が足らない。日本の野球はレジェンドを大事にしない。」とテレビ番組で憤慨しています。同番組の別の収録では、桑田真澄氏が楽天復帰後の成績について「十分なイニング数は投げている。勝敗は運。」という発言で田中投手を擁護しています。
ある程度長く成績を残した選手は「名選手」となり、晩年もそれなりの厚待遇になるのは当たり前、というは確かに過去あったように思います。今のような多様なメディアでたたかれることが少なかった時代、レジェンドは最後までレジェンドで引退していたのでしょう。
2013年の楽天初優勝の立役者は、間違いなく田中将大です。その田中投手が、球団の姿勢に不満を述べ、自由契約を選んだことで「楽天はけしからん!」となりました。
あくまで一つの味方ですが…。
ふたつの見方②成績は年俸にみあっている?
一方で、楽天復帰後の田中投手の成績は、球団やファンの期待に応えられたのでしょうか。前述の桑田氏の発言を否定するものではありませんが、4年間の推定年俸の合計は25億円を超えます。20勝(33敗)を単純に割ると、1勝にかかる費用が1億円を軽く超えます。最終年が0勝だったオフに球団の評価に不満を言う姿が、世間にどう映ったでしょう。
成績では測れないチームへの貢献ももちろん年俸には含まれます。ところが、「安楽問題(後輩へのパワハラで安楽投手が自由契約になった件)」の原因が田中投手ではないかという説がネットで出回ったこともあり、貢献どころかチームの不振の戦犯というイメージまで持たれてしまった印象があります。
36歳の田中投手が、これからどれだけの成績を残せるのか。減額制限を超える減額提示もやむを得ないだろう、というのがふたつめの見方です。
ファンが知りたいのは、見えない信実!
東北楽天ゴールデンイーグルスというチームは、このようなごたごたが多い印象です。1年での監督解任も多く(他球団ではほとんど見ない)、前述のパワハラ問題や、捕手のリードへの批判を監督や投手が外に向けて発信する(これは里崎氏の意見に私は大賛成でしたが)など、球団運営(オーナーも?)自体をファンに心配されてしまってませんでしょうか。今回の件も、球団幹部にもう少し「もめない努力」があれば、結果どうだったでしょうか。それともすでにお互い感情的だったのでしょうか。
なんでも喋ればいいわけではありませんが、田中投手も、球団も、肝心な部分をきちっと言わないので、余計にネットでたたかれている気がします。ファンはどっちに怒りをぶつけていいかわからないのです。田中投手がかつてのように獅子奮迅し、チームが優勝争いを繰り広げることを、ファンは期待しているのです。自分のためにもファンにためにも、うまくいっていない理由を説明すべきだと思いますがいかがでしょう。
そしてジャイアンツ…
そして、田中投手はジャイアンツ。楽天ファンのため息が聞こえます。(私だけ?)
もちろん、頑張ってほしいです。200勝も達成してほしいです。
ジャイアンツの田中投手獲得が、レジェンドへの配慮ではなく、本当に必要な戦力としての判断であることを、野球ファンとして望みます。そうでないと、ジャイアンツの「今年こそ!」と歯を食いしばって頑張っている若手がかわいそうなので。